須弥山(しゅみざん)とは、仏教の宇宙観や神話において重要な役割を果たす山のことを指します。この山はインドや中国の仏教の文献に登場し、広くアジアの仏教徒にとって象徴的な存在となっています。
須弥山は、インド神話や仏典において、神々が住む神界や人間界、畜生界、地獄界、餓鬼界などの六つの世界を包むようにそびえ立つ山として描かれています。この山の頂上には魔王インドラが住み、その上には蓮華の座が置かれています。須弥山は、宇宙の中心に位置し、仏教の宗教的な象徴としても重要視されています。
仏教では、須弥山を「世界山」として位置付け、宇宙の中心を象徴すると同時に、我々が生まれる前の仏国や極楽浄土を表すとされています。また、須弥山は、五大(地・水・火・風・空)や十方(東・南・西・北・上・下・東南・東北・南西・西北)など、数々の仏教的な概念にも関連付けられています。
須弥山は、仏教文化の中で広く愛され、仏教徒たちにとっては精神的な支えとなる存在です。その荘厳な姿や神秘的な意味合いから、須弥山は多くの仏教寺院や仏教美術にも登場し、仏教信者たちの信仰を形成してきました。
須弥山の象徴的な存在は、仏教の宇宙観や哲学、信仰の深淵さを表しています。仏教徒たちにとって、須弥山は宇宙の中心や心の中心として、精神的な安定や目標を示すものとされています。その神秘的な魅力は、今もなお多くの人々を惹きつけてやまないのです。